『薄氷の殺人』:石井隆原作の日活ロマンポルノ群を彷彿とさせる @DVD
2014年製作の中国・香港合作映画『薄氷の殺人』、DVDで鑑賞しました。
新作『鵞鳥湖の夜』が公開されるディアオ・イーナン監督作品。
新作の方の予告編をみて気になったので、前作を予習しておこうというものです。
さて、映画。
1999年の夏、中国華北地方で複数の石炭工場からバラバラ死体が発見される。
捜査に当った刑事のジャン(リャオ・ファン)はトラック運転手の兄弟に容疑を絞り追い詰めるが、最後の最後、銃撃戦となり、仲間の刑事とともに容疑者を失ってしまう。
時を経て2004年の冬。
5年前と同様のバラバラ殺人が再び発生する。
それも立て続けに2件。
どちらの被害者ともに、5年前の事件の被害者未亡人ジージェン(グイ・ルンメイ)と関わり合いがあった。
5年前の事件を契機に刑事を辞し、酒におぼれていたジャンは、元同僚からその話を聞き、ジージェンが務めるクリーニング店を客として訪れる・・・
といったところから始まる物語で、フィルム・ノワールというに相応しい作品。
全体から受ける雰囲気は、石井隆原作を映画化した日活ロマンポルノの作品群。
薄ら寒い風景を背に、訳ありの男女が絡んでいく・・・
多くを語らず、風景や町がふたりの心情を描き出す。
この手の映画に、個人的には弱い。
自宅鑑賞だったので感慨は少々減って残念だが、映画館の暗闇で観るともっと心に沁みただろう。
難を言えば、少々まだるっこしい感が無きにしも非ずといったところ。
もう15分ぐらい詰めれたかもしれない。
日本タイトルの『薄氷の殺人』もこの映画を表していないが、英語タイトルの「BLACK COAL, THIN ICE」もいまひとつ映画を表していないように思えます。
やはり原題『白日焔火』、白昼の花火がこの映画に相応しいでしょう。
評価は★★★☆(3つ半)としておきます。
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2020年映画鑑賞記録
新作:2020年度作品: 66本
外国映画51本(うちDVDなど18本)
日本映画15本(うちDVDなど 2本)
旧作:2020年以前の作品: 78本
外国映画52本(うち劇場鑑賞 7本)←カウントアップ
日本映画26本(うち劇場鑑賞 3本)
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この記事へのコメント
確かに、新作の予習として見たい作品です。
ありゃ、見てませんでしたか・・・