『アングスト/不安』:トラウマ必至のリアルサイコパス映画 @名画座

アングスト/不安.jpg
名画座2本立て、レヴュー2作目は『アングスト/不安』。
1983年製作のオーストリア映画ですが、公開は今夏7月。
かつて『鮮血と絶叫のメロディ/引き裂かれた夜』というタイトルでビデオ化されているようですが、記憶にありません。
さて、映画。

殺人事件で10年服役した男(アーウィン・レダー)。
彼は私生児として祖母に育てられ、幼い頃から残虐志向があった。
修道院に入れられるが、そこでも残虐行為が見咎められて追放、14歳の頃に30歳年上のマゾヒスト女性と知り合ったときに、自身の残虐衝動を抑えられなくなっていることを自覚した。
そして、老女を射殺。
逮捕されるも「理由はなかった」と供述。
精神鑑定にかけられるも、責任能力なしとは認められず、10年の服役をしたのだった・・・

といったことが、映画冒頭で説明される。

出所した男は、出所早々に殺人衝動を抑えることできずに、歩いて小さなダイナーへ向かうが、獲物は見つけられず、タクシーの女性運転手を狙うも失敗。
たどり着いた山腹の邸宅に忍び込み、家人の帰宅を待つ・・・・

1980年にオーストリアで実際に起きた一家惨殺事件を基に描かれた実録映画で、男が一家三人を殺す様子が、男のモノローグとともに丹念に描かれるというもので、映画としては異常映画に分類するしかないような作品。

同種の作品としては、米国で300人以上の女性を殺害したヘンリー・ルーカスの日常を淡々と再現した『ヘンリー』という映画を思い出したが、おぞましさはこの映画の方が勝っていると思います(『ヘンリー』の方は、ほとんど忘れちゃったからね)。

おぞましさを加速させているのはエッジの効いたカメラで、MTVの世界で有名なズビグニェフ・リプチンスキが担当しているが、殺人鬼に肉薄するようなステディカムで男と観客を同一化させるフレームと、それとは対照的なクレーン撮影での俯瞰アングルで、第三者的視点を取り混ぜているからだろう。
この撮影方式と編集は特筆しておくべきものだと思います。

また、クラウス・シュルツによる音楽も、ダリオ・アルジェントの『サスペリア』などを手掛けたゴブリンに似た雰囲気で悪くありません。

とはいえ、内容が内容、それもリアルに撮っているので、観ているうちに気分が悪くなってきます。
よって、一般の映画ファンにはお薦めできません。
トラウマになること必至です。

評価は★★☆(2つ半)としておきます。

------------------
2020年映画鑑賞記録

新作:2020年度作品: 88本
 外国映画64本(うちDVDなど24本)
 日本映画24本(うちDVDなど 5本)

旧作:2020年以前の作品: 92本
 外国映画62本(うち劇場鑑賞10本)←カウントアップ
 日本映画30本(うち劇場鑑賞 5本)
------------------

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2020年11月30日 11:15
ありがとうございます。見なくて良かったです。(笑)
ぷ~太郎
2020年12月01日 22:55
さすが、りゃんひささん、観る映画が違います。こういう好みなんですかね。