『潜水服は蝶の夢を見る』:主人公に同化し、人生の素晴らしさを感じる

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左目以外は不随のロックトイン・シンドロームになった主人公が、左目のまばたき20万回で綴った自叙の映画化と聞いて、「つらい物語なんだろうなぁ」との先入観があった。
しかしながら、文芸春秋の星取りでも★4つ、5つで、前向きになれると聞き、観に出かけた次第。

いやぁ、観て良かった!
この映画を観て、人生に対して前向きになれるのは、映画ファンならでこそかもしれない。

だって、ロックトイン・シンドロームで、声も出せず、身動きもできず、観て、想像力と記憶を羽ばたかせ、人生を謳歌する主人公は、不遜ながら、観客に仕向けられた魔術のようなものだか。

暗い映画館での座席に座って、身動きも出来ず、声も出せず、眼前のスクリーンの映像に対して、過去に観た作品の記憶を辿り、想像力を羽ばたかせるのは、映画を観る観客と、殆んど同じだから。

監督は観客と主人公を一体にしようとして、冒頭から、仕掛けてくる。

歪んだ映像、焦点の合わない映像、そこへオーヴァラップする明瞭な声。
主人公の一人称の画である。
画は歪でも、声によって思考は明瞭であることを示している。
この演出は1巻つづき、それに続く1巻は、映像の歪みを押さえた一人称の画であり、思考と視覚が正常であることを示唆する。

主人公が自己の境遇を受け容れ、「ぼくには想像力と記憶力がある」と認識して、人生を本当に謳歌し、自叙を綴ろうと決意した瞬間のシーンから、三人称の画となる。
三人称の画は、いつも見慣れた画面スタイルで、前半30分からイッキにこのスタイルへ移行することで、観客に観客自身の記憶力と想像力をどんんどんどんどん掻き立てていく。

主人公が想像する病院創設の物語のイマジネーションの豊かさ。そして、モノローグの美しさ。
イマジネーションによる人生の豊かさ、ここで泪がこぼれた。

そう、われわれ観客もまさしく観客席に縛られたロックトイン・シンドローム状態であり、心を閉塞させたロックトイン・シンドローム状態であるのだから。

もし、この映画の魔術に嵌(はま)りたければ、是非とも劇場で観て欲しい。家庭では、観客席にじっと座って観るわけはないだろうから。

迷わず★5つ、必見です。


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↓主人公の周りは美女がいっぱい。どことなく羨ましいような・・・↓
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フォトがありませんが、Lの舌づかいも艶かしく「絶世の美女」と称される理学療法士は、監督夫人だそうな。


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