『ブレードランナー』ディレクターズ・カット 最終版:鵺的作品 @DVD・レンタル

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まもなく公開される『ブレードランナー 2049』に先立って、前作『ブレードランナー』をおさらい。
未鑑賞だったファイナルカット版をレンタルしようと思ったところ、生憎すべて貸し出し中。
考えることは誰もが同じようで・・・。
なので、劇場公開時にも観ている「ディレクターズ・カット 最終版」を観ることにしました。
さて、映画。

2019年米国ロサンゼルス。
常に酸性雨が降り続く、昼夜もわからない暗い街。
過酷な宇宙空間での作業用に遺伝子工学によって作り出された人造人間レプリカントが6体逃亡を謀った。
ブレードランナーと呼ばれる、レプリカント捕縛のプロフェッショナルが彼らを追う・・・

というところから始まる物語で、いまさら説明の必要はないだろう。

が、いきなり「???」と疑問符の嵐が頭をよぎる。
(記憶を探ると)逃亡したのは4人じゃなかったけ?
演じている俳優名で記すが、ルトガー・ハウアー、ブライオン・ジェームズ 、ジョアンナ・キャシディ 、ダリル・ハンナでは?

逃亡した6名の内訳は男女3人ずつで、そのうち1名、男性のレプリカントは地球へ逃亡する途中のスペースシップで射殺されたことになっている。
なので、残りは女性1名。
ショーン・ヤングのレプリカントが、この逃亡者一味のひとりというわけだ。

おやおや、どういうハナシだ、これ?

整理すると、
残った5名のうち、ショーン・ヤングとブライオン・ジェームズは製造元のタイレル社に潜入することができたが、ショーン・ヤングの方は正体がバレて、タイレル社社長のなんらかの考えのもとで姪の記憶を移植されて、社長秘書めいた仕事をしている。
ブライオン・ジェームズは、レプリカント選別テストを受けることになり、正体がバレそうになったので、試験官を射殺して逃亡した、というのが映画の冒頭のようだ。

どうして、こんなことをクドクドと書くのかというと、万事がこの調子、かなり説明不足で、あれれ、このシーンどういう意味なんだ?と解釈しながら観なければならず、非常に骨が折れるのがこの映画。

ナレーションもあった初公開版はこんなに難解ではなかったと思うのだが、残念ながら細部はあまり覚えていない。

なんだか馬鹿まるだしなレビューだが、当初、異様な世界を舞台にしたハードボイルドアクション映画として撮っていて出来上がったものが、公開後に観客の異様な熱気が出て、その熱気に押されるようにして、このSF色を強くしたディレクターズ・カット版が出来上がったのではないだろうか。
そんな風に思えてしまうのだ。

なので、全体の印象として、非常にギクシャクした感じで、SF的な有意がググググっと屹立して来ない。
いやわかるのはわかるのだが・・・

ショーン・ヤング・レプリカントに移植された、社長の記憶。
それが彼女にとっての生きてきた証。
写真などの記録よりも、記憶。
「われ思う、ゆえにわれ在り」
記憶の積み重ねが、生である。
そして、最後の最後、ルトガー・ハウアー・レプリカントがブレードランナーに語る4年間の地獄の日々。
地獄の日々ではあるが、その記憶を持っていることが、生きていた証だと悟り、命尽きていく。

このSF的有意。

そしてまた、ブレードランナー自身も記録により生を確かめているが、記憶自体は曖昧であり、それは生命そのものが曖昧模糊としている。
そんな不安。

そんな不安な中でも、生きていることを実感できたのが、ショーン・ヤング・レプリカントとの間に芽生えた感情。
生は記憶の積み重ねなのか、感情の積み重ねなのか、感情が積み重なることで記憶が積み重なるのか・・・

これもまたSF的有意。

そんなこんなが、どうにもこうにも整理されないまま、心の中に残ってしまう、ハードボイルでアクションで、それがまた江戸川乱歩もびっくりな猟奇的世界のなかで繰り広げられ、曖昧模糊のまま終わってしまう・・・

個人的には、傑作と言うのが難しい鵺的作品でした。

さて、新作は、どんな決着をつけるのでしょうか。

評価は★★★☆(3つ半)としておきます。

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2017年映画鑑賞記録

新作:2017年度作品:77本
 外国映画60本(うちDVDなど16本)
 日本映画17本(うちDVDなど 0本)

旧作:2017年以前の作品:51本
 外国映画43本(うち劇場鑑賞11本)←カウントアップ
 日本映画 8本(うち劇場鑑賞 3本)
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